相続・事業承継対策に、鑑定評価の活用を。

はじめに、これまで行ってきた相続や事業承継関連の鑑定評価事例のいくつかをご紹介致します。
 

1.湘南地方の別荘地約5,000㎡について、約6億円の相続財産価額を4億円弱に減額評価。
(理由)傾斜地が多く、有効活用面積が少なかったため。

 

2.名古屋市郊外のお屋敷(土地)10,000㎡弱、約3億円の相続財産価額を1億円近くまで減額評価。
(理由)市街化調整区域で開発規制が強化され、市場価値が大幅減のため。

 

3.新宿区の高級住宅街で、隣り合わせで居住中の5人(相続人)に、敷地の等価による配分面積を評価。
(注)位置、道路付き、形状等により最大格差は1.5倍強、価格差については現場で質疑応答のうえ全員了解に達した。

 

4.事業承継にあたり埼玉県郊外の工場(土地・建物)を時価評価。地価下落と建物の減価(償却)により、評価額は会社の簿価を下回った。
(注)検討の末、会社財務改善のため、工場施設を個人資産に入れ替え、リースバック(賃借)とした。

 

5.法定の成年後見人からの依頼で、被後見人の相続対策として、資産整理のため、横浜市郊外の賃貸中住宅を評価。
(注)現に親族入居中の賃貸住宅。鑑定評価書を提出し、裁判所の許可を得て、借家人に売却。
以上、相続や事業承継で、不動産が移動する時の、客観的な「物差し」として、鑑定評価は活用されています。裁判所、税務署、その他の官公庁に対する申告や、多数当事者間の利害調節には、鑑定評価書の活用をおすすめ致します。

 

【参考】相続税評価額より鑑定評価額(時価)が低くなる例
次のような、減価要因の多い土地は、時価が路線価方式等による相続税評価額を下回る場合が多いようです。税務署は適正な時価を上回って徴税することは出来ません。正規の鑑定評価書を活用して、納得の行く納税をめざしましょう。納税後の修正申告も可能です。
(1)がけ地等の傾斜の強い土地(有効敷地の過小)。
(2)道路付きが悪く、利用困難な土地(建築規制・居住環境)。
(3)土壌汚染、地下埋設物等の阻害要因を含む土地(更地化への負荷)。
(4)規模が大きく、市場性減価の大きい土地(面大減価)。
(5)間口・奥行や形状が不良で、敷地の利用効率が劣悪な土地(利用効率低下)。
(6)賃貸借契約等により、他人の権利の制約が厳しく、収益性が極めて低い不動産(低効率、低収益不動産)。
(7)衰退している地方都市における中層ビル、中層店舗等(場違い建築)。

百田孝義
[不動産鑑定士]